産形邸の六天狗
内容紹介
一つ、産形家の家督は、けっして実子に継がせてはならない
一つ、産形家の跡取りは”六天狗”により、赤の他人の中から選出する
一つ、この掟を破った者には、必ず天狗様の祟りが下る
――『産形家縁起』より抜粋
天狗筋と囁かれる産形家の当主、稀代の投資家・産形兆(うぶかた きざし)がこの世を去った。
夏季休暇のアルバイトで産形邸を訪れた大学生・青山せつな(あおやま せつな)は、なんの因果か産形家の跡取り選定の儀式、六天狗に巻き込まれてしまう。
六天狗の期間は六日間。
最終日の日付変更まで産形邸から退場させられなかった、ただ一人のみに産形家の家督と全財産は譲渡される。
産形邸に集ったのは、いずれ劣らぬ曲者ばかり。
当惑するせつなに、黒塚一動(くろづか いちどう)は微笑む。
「この六天狗を勝ち残るために――俺の味方になってほしい。もちろん、俺もあんたに味方する」
互いの緊張が高まる中、ついに六天狗の幕は上がった。
はたしてせつなは、天狗の思惑を乗り越えることができ[EOF]
――天狗滅ぶべし