アマツキツネは夜空をかける(全年齢版)
内容紹介
『妖』——東洋では妖怪、西洋では魔物と一般的には呼ばれている存在。
かつて時の政府の研究機関が公的に発表した「独自の生態系をもった人間以外の知的生命体」
全般を指す言葉である。
その妖の中でもとりわけ高い知性を持ち、人間に化けて今まで共存繁栄してきた存在の総称を
政府は『人妖』と呼び区別していた。
そして人妖の存在と同時に明らかになったもうひとつの存在がある。
人間と人妖との間に生まれた混血児——『クロスブレッド』である。
人でも人妖でもない彼らは、人としては異形であり、人妖としては無能者という半端者として
人妖差別が薄らいだ現代社会でさえもなお差別の対象となっており、政府は今でも対応に苦心していた。
本作はクロスブレッドとして生まれ、差別され続けてきた少女『文月よぞら』と
彼女に惹かれた少年『天流星』の青春の物語です。